少し以前までのスキーバスツアーといえば、夜に出発して朝に目的地へ到着し、一日中ゲレンデで滑ってから、また夜に現地を出発するパターンが一般的でした。このツアーなら時間を最大限に無駄なく使えるため、今でも忙しい人やスキーを徹底的に楽しみたい人には人気があります。しかし現在ではむしろ、朝に出発して半日だけゲレンデで過ごし、その日のうちに帰ってくるスキーバスツアーのほうが、利用者の数が多くなっています。朝発のスキーバスツアーは、滑れる時間が短いところが欠点とされています。
しかし特に中高年のスキーヤーは、一日中滑るほど体力に余裕がないことが普通です。夜行バスだと眠れなくて、体力を消耗することが多いのも問題です。もちろん若い人にも、ガツガツとスキーばかりに打ち込まないで、楽しんで滑りたいというニーズがあります。昼間のバスなら道中も、飲んだり食べたり騒いだりして楽しめますから、そういうニーズにはぴったりです。
ツアー全体としてみれば、スキーは短時間でも良いという人が増えているわけです。昼間のスキーバスは割高というイメージがあるかもしれませんが、昼行バスは運転手の交代が少なくて済むため、人件費がかからずかえって安価になることがあります。また明るいところを走るので、安全な印象が強いのも支持される理由のひとつです。近場で気軽にスキーを楽しむなら、朝発のスキーバスツアーもまた有力な選択肢と言えるでしょう。